皆さんこんにちは。今日もご来訪感謝です。
最近はコンサルティングファームに転職しましたが、複数のコンサルティングファームの選考を受け、
対策などやってきたのが、ケーススタディです。
コンサルティングファームでは「フェルミ推定」を使ったケーススタディで、
よく選考試験で採用されております。
要は希望者の論理的思考力、論理的説明力を推し量るために、フェルミ推定を使っているわけですが、
フェルミ推定とは何でしょうか?
フェルミ推定を使った思考力を試すケーススタディは、
外資系・IT企業・先進的企業でよく使われております。
頭の体操としても良いトレーニングになりますので、
もし興味がありましたら頭のトレーニングとして、
少し意識していただければと思います。
コンサルティングファームでは、このような論理展開を考える力だけでなく、
漏れなく事柄を整理する力など求められます。「【論理的思考を身に着ける】ロジカルシンキングとは?」などもご参照ください。
フェルミ推定は、何かの数や量を推し量るためのロジックを考えること
フェルミ推定とは、エンリコ・フェルミという物理学者が得意としていた推論の方法で、
現実的に計測するのが難しい量や数を、いくつかの手がかりとロジックで推論する方法です。
「東京都内にマンホールの数は何個ある?」や
「シカゴの都市内にピアノの調教師の数はどれくらいいるのか?」など のような問題が有名ですね。
フェルミ推定では、その量が知らなくても、論理的なアプローチがあれば、一般常識とされる情報
と論理があればある程度正確な推定が可能です。
フェルミ推定の名前の由来になったエンリコ・フェルミは天才とされる学者の一人です。物理学だけでなく統計学や統計熱力学でもその名をとどろかせております。
正確な数字が必要ではなく、その推定のためのロジックの整合性が重要
フェルミ推定では、「答え」が正確かどうかではなく、その答えを推測するための
ロジック・、アプローチの整合性が重要です。
仮定や、ロジックのステップ(AでBでCという、仮定の連続性)が飛んでいないか、違和感がないか
というのが重要になります。
例えば、フェルミ推定で有名なのが、「シカゴ市内でピアノの調律師は何人いるか?」という問題が
ありますが、考え方のステップとしては以下になります。
- シカゴの人口をざっくり300万人とします。
- 世帯人数をざっくり平均3人程度とします。すると、シカゴの世帯数は300万人÷3=100万世帯と考えられます。
- ピアノは、全世帯持っているとは限らないので、10世帯に1台くらい持っていると仮定します。ピアノは100万世帯÷10=10万台ある と考えられます。
- ピアノの調律は1年に1回必要と考えます。
- 就業時間や調律の時間を考え、ピアノの調律師一人につき、1日3台調律できると考えます。
- 調律師も労働基準を守る(週休二日程度)とし、365日のうち250日働くと仮定します。
- シカゴの調律師一人につき1年で3台×250日=750台調律できると考えます。
- シカゴの調律師がシカゴのピアノ10万台を調律するために10万台÷750台/一人=133人 必要です。
- つまりシカゴのピアノ調律師は130人程度と推測されます。
こんな感じです。論理的に飛躍が無ければある程度正しい値に行きつきます。
ピアノの台数はもちろん知っているわけでもないし、シカゴの調律師は250日以上働く場合もあれば、
一日3台も調律できない場合もあるかもしれませんが、
概要をざっくりつかむために仮定を置いています。
論理のスタートで把握として便利な数字はあるので覚えておこう
推論のアプローチが重要で数字そのものは重要ではないとはいえ、
ある程度の数字を把握しておくのは重要です。議論のスタート、推論の足掛かりとしては
とても有効です。
以下のような数字くらいは頭に入れておきましょう。
- 日本の人口:1億2,000万人
- 日本の平均寿命:80歳
- 日本の国土面積:38万平方キロメートル
- 日本の平均年収:440万円
- 日本の小学校の数:20,000校
- 日本の中学校の数:10,000校
- 日本の高校の数:5,000校
- 日本の大企業の数:10,000社
- 日本の中小企業の数:500,000社
だいたいこんな感じです。
人口からスタートしたり、
1世帯当たりの収入や、寿命などから推論がスタートすることもありし、
ジムやスーパーの利用数などを推測する際は、営業時間と一時間当たりの利用数あたりを
推測することからスタートすることもあります。
ある程度勘所を持っていると推論もスムーズに進みます。
まとめ:フェルミ推定は地頭の良さが試されるが、訓練可能。是非多くのケースを学んでみよう
以上、フェルミ推定の紹介でした。フェルミ推定により「地頭の良さ」を測ると言われていますが、
地頭は生まれ持っての才能だけではありません。
論理展開、仮定の根拠をどこに置くか、常に訓練することでスムーズにアプローチを展開することが
できます。要は「地頭」は訓練可能です。
私も常に論理展開をスムーズにできるように訓練しております。これだけできれば完璧。
というのはありませんが常にケースを考えて推論する、というのを習慣づけてみましょう。